2026年11月2日、政府は日本の防災対策を担う新しい組織「防災庁(National Disaster Management Agency)」を発足させました。災害への備えから、発生時の対応、復旧・復興まで、国の防災体制をまとめて指揮する司令塔の役割を担います。
「国の組織が変わっても、自分の暮らしには関係ない」と思う方もいるかもしれません。ただ、今回の発足にあわせて、政府は国民にも防災への積極的な参加を呼びかける方針です。この記事では、防災庁のポイントを整理したうえで、家庭で今日から始められる備えを紹介します。
本記事は、NHK WORLD-JAPANの報道(2026年11月2日)をもとに、内容を整理しています。
防災庁とは?発足の概要
7月に成立した法律にもとづく新組織
防災庁は、7月に国会で成立した法律にもとづいて設置されました。政府は、日本の災害対応の仕組みを根本から強化することを目指しています。
災害対応の「司令塔」として何をするのか
防災庁は、災害に関する次の取り組みをまとめて担います。
- – 防災・減災への備え(平時の準備)
- – 災害が起きたときの緊急対応
- – 被災後の復旧・復興
これまで、防災の業務は内閣府を中心に進められてきました。今後は、備えから復興までを一つの組織が見渡す体制になります。
トップは首相、補佐は防災担当大臣
防災庁のトップは、高市早苗首相です。これを、細野豪志防災担当大臣が補佐します。
防災担当大臣には、各省庁に対して勧告を出す権限があります。勧告を受けた省庁は、その内容を十分に尊重しなければなりません。災害時に省庁ごとの動きがばらばらにならないよう、調整する力を高める狙いがあります。
これまでと何が変わるのか
職員数は約350人に増加
防災庁の職員は、約350人です。これは、以前に内閣府で防災を担当していた職員の約1.6倍にあたります。人員を増やすことで、情報の集約や省庁間の調整、自治体への支援を、より手厚く行える体制を目指します。
地方の拠点づくりは2028年7月までに
政府は、地方に置く防災の拠点(地方の防災に関する事務所)の設置場所を今後決める予定です。設置は2028年7月までを目標にしています。
災害は地域ごとに被害の姿が異なります。そのため、現場に近い場所に拠点ができれば、地域の事情に合わせた対応や、自治体との連携がしやすくなると期待されます。具体的な設置場所が決まったら、お住まいの地域との関係も確認しておきましょう。
国民にも「備え」の呼びかけ
細野防災担当大臣は、国民に対して、水や食料の備蓄など、防災に積極的に取り組むよう呼びかける見通しです。国の体制が強化されても、被災直後の数日間は、家庭や地域で自分たちを守る力がとても大切になります。
今日から始める家庭の防災対策
ここからは、国の体制変更をきっかけに、ご家庭で見直したいポイントを紹介します。大がかりな準備は必要ありません。できることから一つずつ始めてみてください。
水と食料の備蓄
水と食料は、備えの基本です。
- – 飲料水は、1人1日あたり約3リットルが目安です
- – 備蓄の量は、最低3日分、できれば1週間分を目指します
- – 食料は、火や水を使わずに食べられるものを中心にそろえます
- – 缶詰、レトルト食品、栄養補助食品、乾パンなどが向いています
- – 乳幼児や高齢の方、アレルギーのある方のいる家庭は、その人に合った食品も用意します
ローリングストックで無理なく続ける
備蓄は、「買って置きっぱなし」にすると、賞味期限が切れてしまいがちです。そこで便利なのが、ローリングストックという方法です。
- – 普段の食品を、少し多めに買っておく
- – 古いものから食べ、食べた分を買い足す
- – 常に一定量の備蓄が保たれる
特別な防災用品を買わなくても、日常の延長で備えを続けられます。
健康を守るための備え
災害時は、医療機関にすぐ通えなくなることがあります。とくに、持病のある方や、日ごろから薬を飲んでいる方は、次の点を確認しておきましょう。
- – 常備薬を、少なくとも数日分は手元に残しておく
- – お薬手帳(またはそのコピー、写真)を持ち出せるようにしておく
- – 持病や服用中の薬、アレルギーの情報をメモしておく
- – 眼鏡、コンタクトレンズの予備、入れ歯の用品を用意する
- – 衛生用品(マスク、消毒液、ウェットティッシュ、生理用品など)を備える
- – 携帯トイレを用意する
災害時は、睡眠不足や生活環境の変化から、体調を崩しやすくなります。普段からの体調管理の考え方は、「続けること」が健康の秘訣|今日からできる10の習慣の記事も参考にしてください。
情報と連絡手段の確保
- – スマートフォンの充電器、モバイルバッテリーを用意する
- – 乾電池で使えるラジオを備える
- – 家族の集合場所と、連絡の取り方を事前に決めておく
- – 災害用伝言ダイヤル(171)など、安否確認の方法を確認しておく
- – 現金(小銭を含む)を少し手元に置いておく
避難場所とハザードマップの確認
- – お住まいの自治体のハザードマップを確認する
- – 自宅、職場、学校から近い避難場所と、そこまでの道を歩いて確かめる
- – 土砂災害、洪水、津波など、地域のリスクを把握する
- – 避難が必要になる状況の判断基準を、家族で共有する
防災庁の発足を、どう受け止めればいいか
国の体制が強化されることは、災害対応の質を高める一歩です。ただ、大きな災害が起きたとき、国や自治体の支援がすぐに届かない時間は、どうしても生まれます。そのため、「国が守ってくれる」と考えるのではなく、「国の体制と、自分たちの備えを組み合わせる」という考え方が大切です。
今回の呼びかけをきっかけに、次の点を見直してみてください。
- – 家にある水と食料は、何日分か
- – 常備薬や、持病の情報は、すぐに持ち出せる状態か
- – 家族で、避難場所と連絡方法を話し合っているか
よくある質問
Q1. 防災庁は、何をする組織ですか?
災害への備えから、災害時の緊急対応、被災後の復旧・復興まで、国の防災対策を一括して担う組織です。国の災害対応の司令塔と位置づけられています。
Q2. 防災庁と、これまでの内閣府の防災担当は何が違いますか?
防災庁は、新たに設置された独立の組織です。職員数は約350人で、以前に内閣府で防災を担当していた職員の約1.6倍になりました。また、防災担当大臣は、各省庁に勧告を出す権限を持ちます。
Q3. 地方の拠点は、いつどこにできますか?
政府は、設置場所を今後決め、2028年7月までに設置する計画です。場所はまだ決まっていないため、今後の発表を確認する必要があります。
Q4. 家庭では、まず何から始めればいいですか?
まずは、飲料水と食料を3日分そろえることから始めましょう。続いて、常備薬の確認、避難場所の確認、家族との連絡方法の取り決めへと進めると、無理なく備えを広げられます。
Q5. 備蓄は、どのくらいの量が必要ですか?
水は、1人1日あたり約3リットルが目安です。量は、最低3日分、できれば1週間分を目指しましょう。ご家族の人数や、乳幼児、高齢の方、持病のある方の有無に合わせて調整してください。
まとめ
2026年11月2日に発足した防災庁は、備えから緊急対応、復旧・復興まで、国の災害対応をまとめて指揮する新しい組織です。ポイントを整理します。
- – 7月に成立した法律にもとづき、2026年11月2日に発足した
- – トップは首相で、防災担当大臣が補佐し、各省庁に勧告を出せる
- – 職員は約350人で、従来の内閣府の防災担当の約1.6倍
- – 地方の拠点は、2028年7月までの設置を目指している
- – 政府は、国民にも水・食料の備蓄など、防災への積極的な参加を呼びかける見通し
国の体制が変わるいまこそ、家庭の備えを見直す良い機会です。まずは、水と食料の備蓄から始めてみませんか。
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出典
- NHK WORLD-JAPAN「Japan launches National Disaster Management Agency」(2026年11月2日)
免責事項
本記事は、報道内容と一般的な防災情報をまとめたものです。災害時の避難情報や、お住まいの地域の対応は、必ず自治体や気象庁、政府の最新の発表で確認してください。

